1. 太陽に輝く桑畑を、未来の子どもたちへ 

 かつて「県都前橋生糸の市」とうたわれ、養蚕(製糸)農家や桑畑が当たり前のようにあったこの場所も、今ではその風景が失われつつあります。 私たちは、歴史ある前橋の原風景を懐かしむだけでなく、「今」を生きる力に変えて次世代へつないでいきたいと考えています。 太陽の光で輝く美しい桑畑を、子どもたちが身近に感じられる未来を。この場所から、前橋の新しい糸づくりの歴史を刻み始めます 

2. 「ど根性シルク」がつなぐ、エシカルな未来

 

私たちの生み出す生糸「ど根性シルク」には、外圧に負けず養蚕文化を「ど根性」で伝え抜くという決意が込められています。 


それは同時に、繭の中の命を大切に守り抜き、ダメージを抑えて生糸にする工夫を重ねた「エシカル(倫理的)」な追求でもあります。 


繭は本来、外敵や環境の変化から中の蚕を守るためのシェルターです。私たちはその性質を尊重し、役割を全うした「蚕を守り抜いた」糸をいただいています。 


生命への慈しみと、文化の継承。この両立こそが、現代、そして未来の市民が誇れる前橋オリジナルの生糸としての私たちのこだわりです。 


3. 現代社会と共生する、新しい座繰りの形 


本センターでは、どの体験コースにおいても、昔ながらの「座繰り器(ざぐりき)」で糸をつくります。繭から手まわしの道具で一巻きずつ糸をつくっていく時間は、素材のぬくもりを直接手に感じる、驚きと感動の連続です。

当センターでは、独自の研究により、製糸工程で発生する特有のにおいを極限まで抑える技術を確立しています。 この技術により、従来は困難だった公共施設や都市部の密閉空間でも、伝統的な座繰り実演や体験が可能となりました。

これは、日本人が古来より大切にしてきた「命の循環」を慈しみ、素材と対話する精神を現代に体現するものです。次世代にも先人たちが築いてきた精神を肌で感じていただきたい。そんな想いで、一筋の糸に真心を込めています。 


4. 地域と共に歩む、新しい物語

 

私たちは、小さな施設で一粒ひとつの繭と向き合い、丁寧に糸を生産しています。大量生産はできませんが、一粒の繭から生まれる物語を大切にし、私たちの想いに共感してくださる企業や作家の皆様と手を取り合い、新しい価値を広げていきたいと願っています。


また、当センターには近隣の皆様から、大切に保管されていた古い養蚕道具が数多く寄せられています。私たちはこうした「地域の宝物」を次世代へつなぐ受け皿でありたいと考えています。 本施設の活動にご賛同いただける方からの、養蚕道具や蚕室の寄贈、桑を植える場所のご提供、そして共に活動を支えてくださるボランティアサポーターも随時募集しております。


この場所で、私たちと一緒に、前橋の新しい「糸づくりの物語」を始めてみませんか。